未来志向経営者インタビューサイト「社長タイムズ」

【自己紹介】
私はホテルプラザ大阪の取締役で、現在36歳です。大学を卒業後、メガバンクに勤務し、その後家業を継ぐために神戸市内のシティホテルで4〜5年間働いていました。約7年前、祖父が創業した会社に関わることを決意しました。当初は家業を継ぐ意思はなく、就職活動をしていましたが、法人営業を通じて多くの経営者と会う機会が増え、祖父が作った会社に自分が関わらないのは違うと感じ始めました。親戚からの反対もありましたが、辞表を提出し、報告しました。これまでのキャリアの中で、バイキングレストランのホール担当として苦労を重ね、接客サービスの重要性を学びました。お客様に対して真摯に向き合い、リピート客を増やすことに喜びを感じ、接客サービスの楽しさを実感するようになりました。

【会社紹介】
ホテルプラザ大阪は、宿泊、レストラン、宴会場（大・中・小）を提供しており、650室を有しています。十三に位置するシティホテルでありながら、地域とのつながりを大切にしています。インバウンド事業にも力を入れており、団体旅行の半分は東アジア、韓国、台湾、香港、中国からのものです。また、旅行会社を通じて欧米系の団体旅行も受け入れており、年配のご夫婦なども多く訪れます。ホテルプラザ大阪は、地域の魅力を発信し、宿泊客に快適な滞在を提供することを目指しています。

【会社が目指す３～5年後の目標】
私たちの目標は、地域との連携を深めることです。特に団体旅行だけでなく、個人旅行客にも十三を知ってもらい、地域全体を盛り上げることを目指しています。
具体的には、地域の魅力を発信するイベントやツアーを企画し、地域と一体となって観光客を迎える体制を整えたいと考えています。
これにより、地域経済の活性化にも寄与したいと考えています。

【その目標を達成するために取り組んでいることは】
十三グルメツアーを通じて、地域の4〜5店舗と連携し、ローカルとの交流を促進しています。
これにより、海外の観光客も南に行ってしまうのではなく、十三の魅力を体験できるようにしています。
また、地域イベントや文化交流プログラムを実施し、観光客が地域の文化や人々と触れ合う機会を提供しています。
さらに、地域の商店街や飲食店と協力し、地域全体で観光客を歓迎する雰囲気を作り出すことを目指しています。

【企業の核となる価値観は何ですか？】
私たちの企業の核となる価値観は、多様性です。
女性や外国人の活躍を重視し、誰もが働きやすい環境を整えることを大切にしています。
多様なバックグラウンドを持つスタッフが協力し合い、お客様に最適なサービスを提供することで、ホテル全体のサービス品質を向上させています。

【その価値観が経営にどのように反映されていますか？】
優秀な女性スタッフのキャリアアップを促進するために、立候補制度を導入し、役職者が面談を通じて問題がなければ昇進させる制度を整えています。
また、外国人スタッフも活躍できる環境を整えており、現在33名の外国人スタッフが働いています。
これにより、多様な視点からの意見やアイデアが生まれ、サービスの質が向上しています。
さらに、日々のミーティングで、日本人と外国人を分け隔てなく接することで、チームの一体感を醸成しています。

-変革と挑戦-
【過去に直面した最大の挑戦（試練）は何かありましたか？】
コロナウイルスのパンデミックは、私たちにとって最大の試練でした。
観光業界全体が打撃を受け、宿泊予約のキャンセルが相次ぎました。
そんな中でも従業員の雇用を守るために、迅速な対応が求められました。

【それをどのように乗り越えましたか？】
当社では、従業員の雇用を守るため、解雇を行わず、給与も下げないと宣言しました。
さらに、部屋をテレワーク対応に改装し、ウィークリーやマンスリープラン、ペットと泊まれる部屋を提供しました。
これにより、新しい需要を創出し、業績の安定化を図りました。
また、畜産業者からお肉を仕入れてクラウドファンディングを実施し、地域経済の支援にも取り組みました。
これらの施策を通じて、従業員と一緒に困難を乗り越え、ホテルの未来を切り開くことができたと感じています。

【一緒に働いてくれている従業員についての想いをお聞かせください】
従業員には常に感謝の気持ちを伝えています。彼らが安心して働ける環境を提供することが私たちの責任だと考えています。
また、福利厚生の一環として、毎月の誕生日会や納涼会、社員旅行を実施し、従業員同士の交流を深めています。
これにより、職場の雰囲気を良好に保ち、従業員のモチベーションを高めています。

【人材を育成する上でのポリシー（大切にしていること）があればお聞かせください】
若手スタッフが働きやすい環境づくりを重視しています。
彼らが主体的にプロジェクトに取り組む機会を提供し、やりがいを感じられるような職場を作っています。
また、先輩社員が若手スタッフをフォローしながらも、新たなステージへ進めるようなサポート体制を整えています。
これにより、若手スタッフの成長を促し、ホテル全体の発展につなげています。

-社会への貢献-
【会社が社会との関係の中で取り組んでいることがあれば教えてください】
地域への貢献を重視しており、子供たちへの還元活動を行っています。
年末にはプロ野球選手を招いて野球教室を開催し、チャリティーオークションを通じてスポーツ振興に寄付しています。
また、長期休み中には子供食堂イベントを実施し、地域の子供たちを無料で招待しています。
これにより、地域社会とのつながりを深め、地域の発展に寄与しています。

【その目標を達成するための取り組みはありますか？】
十三のエリアをもっと活性化させるために、ウォールアートプロジェクトやグルメツアーを推進しています。
これにより、十三をアートの町として認知されるようにし、地域の魅力を高めています。
また、若いやる気のあるセンスのある方たちが増えてきており、彼らと協力して地域全体の活性化を図っています。

宿泊業界において、積極的に外国人材の採用と活用を検討していただきたいと思います。
人がいないから採用するのではなく、バックグラウンドも含めて優秀な人材を採用するという意識で積極的に取り組んでください。
日本人と外国人が共存することで、業界全体が発展し、日本がより多様で豊かな社会になると信じています。